TABICON Morocco 2~それでもフェズにいく~

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10259826_797469700282192_629978954883297994_n*2014年3月30日長い一日のお話

モロッコの港町タンジール

バスターミナルに着いた頃、街は闇に包まれ

ターミナル内は凄まじい数の人間と大量の荷物と

それを目当てにした食べ物屋台の喧騒と

肉を焼く煙と嗅いだことのない臭いが充満していて

入ってはいけないような雰囲気を醸し出していました。

それでも、今日中にフェズに行くという私の意思は全く揺るがず

煙と人の波に揉まれながら、私は大声で叫びました。

Aller à fès!

フェズへ行く!

*フランス語の方が通じると思って

すると太ったおっちゃんが手をあげて

『こっちだ、こっちだ!』という風に手招きをしてくれました。

私は『フェズ2枚、バスは何時に出ますか?』ものすごく早口のスペイン語で

おっちゃんに『20:45発だよ』と言われ、ホッと一安心

私の時計はまだ19:40だったので、これで何か食べることができる

しかし、おっちゃんがひとこと

   『お前の時計、遅れてるよ』

   ∑(゚Д゚)∑(゚Д゚)∑(゚Д゚)∑(゚Д゚)∑(゚Д゚)

時差があったりサマータイムがあったりで、時計がめちゃめちゃでした。

   その時、おっちゃんの時計は20:40あと5分!!

その瞬間、無言でおっちゃんは大きな方のスーツケースを担ぎ

私は、小さい方のスーツケースと友人の手を握って

人ごみをかき分けバスへ全力疾走しました。

おっちゃんのおかげで、無事フェズ行きのバスに乗れたのですが

出発間際にフェズ到着時刻を聞いてビビります。

   AM2:00だって(;´д`)

もう乗っちゃったからしょうがないけど、AM2:00ってすごくない?

   日付変わってんじゃん

とにかく、先ずフェズの宿に到着がAM2:00すぎると電話をします。

宿のSaraは『バスを降りたら電話をくれ』いい人みたいでよかった。

安心したらお腹減った(。-_-。)

そういえばアルヘシラスでビールとアンチョビとオリーブをつまんだきり、何も食べていませんでした。

6時間近く走るので、トイレ休憩は何度もあったんですが

置いていかれそうで怖くて、食べ物を買いに降りることができなかった。

何度目かの停車時、バスの真横に美味しそうに炭火で肉を焼く屋台が見える

勇気を出して降りてみようか

バスが出そうになったら(前触れなくいきなり出発する)怒鳴って追いかければいいや

とにかく、お腹が減ってお腹が減って

買うのもはバスの中から見て決めていた。

羊のハンバーグみたいなやつ、大好きなトルコのキョフテに似てる

決めたらすぐ、夢中でバスを降りて、身振り手振りで注文しました。

もうタンジールと違ってスペイン語も通じない

大きな丸いホブスというパンを半分に切って、中に焼きたての肉を詰めて

わら半紙でくるっと包んで、はい,でき上がり!(ひとつ約40円)やすっ

超はらぺこだし、苦労して買ったし、しかも焼きたて

これ以上旨いものはこの世にないだろう

と言いたくなるほど、この肉入りパンは美味しかった

うとうとする友人と対照的に私はずーっとギラギラしていました。

なぜなら

フェズが終点とは限らない

幸運なことにフェズは終点でした。

人気も何もない、ただの空き地じゃん!というバスターミナルに到着

全員降りて、ああ終点なのね。と降りてみます。

世界3大ウザい国と言われる理由になった悪名高き客引きは

AM2:00過ぎなので、さすがにいませんでした。

いや、ひとりだけいて私のスーツケースを勝手に運ぼうとしたけど

『ノン、メルシー( *`ω´)💢』で退散しました。

野良犬しかいなくなった空き地、いやバスターミナルから宿に電話

『タクシーでブージュルード門?に来て、そこまで迎えに行く』

えー、タクシーなんかいるわけないじゃんと思った瞬間

向こうから、ボロい赤い小さな車がヨロヨロ走って来ました。

手をあげたら止まってくれたので

『ブージュルード、〇〇でぃるはむOK?』と言いながら

小さなトランクに小さい方のスーツケースを入れ

後部座席に大きなスーツケースを放り込んで友人を乗せて

私は助手席に乗り込んで、返事もまだの運転手に向かってひとこと

Vamos!行くぜ!

運転手さんがいい人でよかった

待ち合わせ場所のブージュルード門にはすぐ着きまして

暗がりからタクシーに近づいて来た、痩せた背の高い男性が

『Yuko?』と言った時の嬉しさは表現できません。

宿の主人Saraのリードで、迷宮と言われる深夜のフェズを歩き

とうとう、世界遺産の街フェズの

リヤドに到着しました。

スペインのホテルを出てから23時間

日付は変わっちゃったけど、まだ夜が明けていないので

今日中にフェズに着くという目的は達したことにしましょう。

とにかく長い1日でした、そして経験上最も楽しい旅程でした。

3時間ほど眠って、気持ちよく目覚めたあとは

異文化の香りが漂うテラスで

とびきり美味しいモロッコの朝食をいただきました。

予定通りにいかない旅って最高

無事フェズに着いたのですが、モロッコ珍道中がこれで終わる訳ありません。

次回のTABICON in Morocco 3 はモロッコの美食と

アトラス山脈を越えてサハラ砂漠へ行ったお話をしましょう。

 

 

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seislios

自由でお金のかかないひとり旅が大好きで セールスパーソンをしながら、1年のうち4週間以上旅に出ています。 美味しいものとワインが大好き 得意料理は皮から作る餃子です。

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